
リワーク支援ってどこで受けられるのかな?
このような悩みを解消します。
本記事の内容
- リワークプログラムの内容
- リワーク支援先を探す方法
- リワーク支援先を探すときのポイント
この記事を書いてる人
先天性の難病で中途障害者になった車いすユーザーで、うつ病で休職中です。
現在治療に専念しながら、復職するためのリハビリとして医療リワークに通っています。
今回この記事では、うつ病などでやむなく休職中のあなたへ、復職に向けて準備をしたい場合に役立つ『リワーク支援先を探す方法』について紹介します。
また、私のようなうつ病を患った身体障害者(車いすユーザー)でも、リワークを利用することができます。実体験も交えてお伝えしたいと思います。
うつ病は再発しやすいとも言われていて、職場からも再発防止策としてリワーク通所を休職者に勧めるケースが増加傾向にあるようです。
ただ、リワークってぶっちゃけ、何をするところかわからないですよね?
会社側から「復職したいなら、自分で探して通ってきてね」と言われても、どこをどう探していいのかさっぱりですよね。
実は私の場合、まさにそれでした。
会社側はリワークの詳細を知らなかったんです。
車いすユーザーとして設備の有無も確認したかったので、自分で探したことはよかったものの、正直パワー不足が否めない状況になり、問い合わせすら辛かった記憶があります。
そこで今回は、この記事でリワークに通所すると受けられるリワークプログラムの内容や、リワーク支援先を探す方法についてまとめていきたいと思います。
「リワークに通うのが不安だ…」という人でも、この記事を読めば安心です!
ぜひ最後まで記事を読んで、自分に合ったリワーク支援先を見つけ、復職するための準備として活用してみてください。
もくじ
リワークとは?うつ病で休職中のあなたが復職するために
リワークとは、うつ病などの精神疾患やストレス関連疾患などで休職した方が職場復帰(Return to Work)することをいいます。
長い間休職中だった方がいきなり会社に出勤すると、体力面も精神面も負荷がかかりますよね。
復職するにはまず朝起きて決まった時間に出勤する、自宅以外の環境で半日もしくは一日過ごすなどのトレーニングを行って体を慣らしていく必要があります。
例えば・・・
- 図書館で半日過ごしてみる。人が多い場所に居続けられるか?
- 人がうろうろする中でも読書に集中できるか?
- そもそも外出することが苦痛ではないか?
読書は、集中力がどれだけ続くのかを見るトレーニングになりますね。
徐々に段階を経てトレーニングをしていくことで心や体を慣らしていき、職場復帰を目指します。
その支援を行うのがリワークプログラムです。
リワークプログラムとは
リワークプログラムでは、心理教育プログラムなどを学ぶことができます。
心理教育プログラムはうつ病には効果があるとされていて、私も学んでいます。
自分の考え方の傾向やクセなど見直すいいきっかけになります。
リワークプログラムの内容
- 認知行動療法
- ストレスコントロール
- マインドフルネス(認知療法)
- ディスカッションやグループワーク
- オフィスワークなどパソコンを使った個人作業
- 能力トレーニング
- ストレッチなどの軽い運動…などがあります。
なぜ休職に至ったのかなどを振り返りながら、そのときの考え方のクセや思考について理解します。
ストレス耐性をあげたりストレスを解消できるよう、ストレスコントロールも学べます。
復職後にうつ病が再発して再び休職することがないよう、臨床心理士や精神保健福祉士などの専門家が連携し、チームでサポートしてくれますよ。
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リワーク支援先の種類
リワーク支援先には種類があり、対象となる人や費用、プログラムの内容には違いがあります。
ここでは主に医療リワークと、障害者職業センターについて説明します。
1. 医療リワーク
精神科・心療内科などの医療機関で行われているもので、病状の回復や症状悪化の防止、生活リズムを整えるなどの復職支援に特化したプログラムが充実しているところがおすすめです。
通所期間は医療機関によって違いはありますが、平均3~7ヶ月ほどだそうです。
個々の病状や回復具合によって期間は変わりますので、医師とも相談していくことが大切ですね。
精神疾患の治療を受けながら、復職後のうつ病再発による再休職の予防も兼ねられており、臨床心理士や精神保健福祉士などによる医学的リハビリテーションとして実施されています。
自立支援医療制度の対象となる場合もあるので、費用については必ず確認しましょう。
2. 職リハリワーク
地域障害者職業センターが実施するもので、各都道府県に最低1ヶ所以上あります。
職場での業務を想定した支援を中心にリワークプログラムを実施しているそうです。
特徴として見学の際には、休職者本人と休職中の企業側の担当者が同席しないといけない点です。
その場合たいていは、上司や人事担当の方が同席することになると思います。
復職を目標としているけれど「転職も視野にいれている」場合は、同センターの利用は少し気が重いかもしれません。
職場復帰支援(リワーク支援)の名称で、センターの職業カウンセラーが、休職者本人と雇用主、主治医をコーディネイトし三者の合意を支援し、職業リハビリテーションを実施します。
目的は職場への適応に向けた本人と雇用主への支援であり、病状を回復させるための治療ではない点が医療機関のプログラムとの最も大きな違いです。

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リワークプログラムの内容
職場復帰をするためには毎朝同じ時間に起きて、決まった時間に出勤することが必要です。
リワークプログラムでは集中力・持続力・注意力やコミュニケーション能力など、復職するにあたって必要な能力の回復を目指します。
具体的な内容は以下の7つです。
※デイケア・ショートケアによって若干の違いはあります。
ポイント
- 生活リズムを整える(朝起きる、軽い運動を行うなど)
- 決まった時間に通所する(会社への出勤を想定)
- 仕事に近い内容のオフィスワークを行う(PCなど個人作業)
- 心理教育プログラムや精神療法を受ける(認知行動療法など)
- ストレスへの対応法を学ぶ(ストレスマネジメントなど)
- 人前で話すなどのコミュニケーションを訓練する(グループワーク)
- 休職にいたった経緯と原因の振り返りや内省を行う
ここで注意したいことは、検討しているリワーク支援先のリワークプログラムがどのような内容なのか必ずチェックすること。
受けたいプログラムがあるリワーク支援先を探すのもいいですね。
できれば、職場復帰を目標としたカリキュラムのあるリワーク支援先を選びましょう。
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リワーク支援先を探す3つの方法
実は車いすユーザーでも通えるリワーク支援先を探し、見つけることは大変労力がかかりました。
なぜなら、うつ病で休職中の車いすユーザーがリワークに通っているという実績がほぼ見当たらないと言われたり、物理的な理由で通所を断られたことで精神的にも辛かったのです。
理由としては主に、リワークプログラムを行う部屋が狭いため車いすでの転回が難しい、段差や階段があるがスロープはない、階段しかない、エレベーターがない、身障者用駐車場がないなどの物理的な問題で断られました。(医療機関なので身障者トイレはほぼありました)
そんな私がお伝えしたい『リワーク支援先を探す方法』3つを紹介します。
1. 心療内科や精神科など通院中の主治医に相談する
最初の一歩は「医師に相談すること」です。
今までの診察を受けてきて、そろそろ復職に向けて動き出してもよさそうと主治医が判断した場合には、そういった話も出てくることと思います。
逆に医師から具体的な話がなければ、自分から「復職に向けてそろそろ行動したい」ことをしっかり伝えてみましょう。
主治医や病院がリワーク支援について情報を持っている場合があります。
また、今はまだその時期ではないなど、病状を元にアドバイスを受けることは大切です。
2. 地域障害者職業センターに問い合わせる
全国の各都道府県に最低1ヶ所ずつ、障害のある人に対して専門的な職業リハビリテーションを提供している地域障害者職業センターがあります。
障害のある人や障害者雇用に関わる人が利用できるそうです。
障害者手帳は必須ではないそうなので、気になる方は問い合わせてみるとよいですね。
障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、事業主に対する障害者の雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関に対する助言・援助を実施しています。
参考独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
3. リワーク施設一覧から問い合わせる
日本うつ病リワーク協会のリワーク施設一覧から、お住まいの地域のリワーク支援を行っている医療機関の詳細が一覧で見られます。
家の近所で探してもいいですし、受けたいプログラムからリワーク支援先を選んでもいいと思います。
どちらにしても、最終的には週5日間通うことになるので遠方はおすすめしません。
まずは、見学が可能かどうかを問い合わせて、実際のリワーク支援先の雰囲気を見にいきましょう。
復職するまでの期間は通所することになりますから「想像と違った…」なんてことにならないようにしたいものですね。
リワーク支援先を探すときのポイント
リワーク支援先を探すときのポイントをまとめました。
実際に通っている私が体験し、注意した方がいいと思うことも入れています。
リワーク支援先を探す際にはぜひ参考にしてくださいね。
リワーク支援先を探すときのポイント
- 通ってみたいと思えるリワーク支援先のHPは熟読しましょう。
- 問い合わせする際には前もって聞きたいことをまとめておきましょう。
【例】転院が必要か・見学はできるか(車いすユーザーでも対応可能か、エレベーターや多目的トイレ、段差などの有無の確認は必須)・現在何人くらい通所しているか・スタッフの人数や通所時間帯、自立支援医療について教えてくれるか、など - 医療機関で行っているリワークにはデイケアやショートケアなど種類があり、通所時間もまちまちです。どの時間帯なら通えそうか、あらかじめ検討しておき、問い合わせましょう。
- 現在通院する心療内科や精神科から転院が必要かどうか、必ず確認しましょう。
- 自立支援医療(精神通院医療)の申請は、すべて市町村が窓口になっています。利用したい場合は、通院中の病院やリワーク通所先またはお住まいの区市役所や保健センターに問い合わせてみましょう。
まとめ【リワーク支援先を探す方法】次の一歩への活力にしよう!
今回はうつ病で休職中の車いすユーザーが復職するための『リワーク支援先を探す方法』を3つ紹介しました。
車いすユーザーでなくても参考になると思いますので、せひとも活用してくださいね。
本記事のおさらい
- リワークプログラムの内容は必ず確認を。それぞれに違いがあるよ!
- リワーク支援先を探すときは、まずは主治医に相談することから!
- リワーク支援先を探すときの大事なポイントは、『車いすユーザーでも対応可能か』『エレベーターやトイレ、段差などの有無の確認』と『転院が必要かどうか』
私自身、「リワークへの通所を決めてよかった」と思っています。
確かに問い合わせなどの作業は大変なのですが、リワークへ通所できたら復職のための準備を専門家と一緒に行なえます。
うつ病になっていなかったら学べないような心理教育プログラムへの参加もできます。
もしも休職中の会社へ復職しないとしても、転職を希望する際に『リワークに通うことができた』ことは次の一歩への活力となるはずです。
リワークプログラムへの参加は生活リズムを整えながら、復職への準備もでき、自分を見つめなおす良い機会にもなります。
うつ病などの精神疾患が回復してきて復職に向けてステップアップしたいとお考えの方や、復職するためのリワーク支援先を探したいと思っている方へ。
たとえ車いすユーザーでもリワーク通所を諦めることはありませんよ!
ぜひとも参考にしていただき、私と一緒に前へ進んでいきましょう!
おすすめ!リワークの書籍