突然ですが、想像してみてください。
今、あなたは車を運転しています。
前方の車の後ろのリアガラスにはこんなマークがついています。
あなたはこのマークが何を示しているかわかりますか?

では、この2つのマークはどんな意味だと思いますか?

私は車椅子ユーザー本人で運転もするので、上段のマークを2つ車に貼っています。でも周りの方々が意味を知らなければ、その意図を伝えることは厳しいですよね。
皆さんは街中で見かけるマークをいくつ知っているでしょうか。
今回は、障害者などの各支援マークであるシンボルマークについて説明します。
もくじ
【障害者などの各支援マーク】シンボルマークの意味を知っていますか?
マークと言えば、交通標識などのマークも重要ですね。
車の免許を持つ人ならだれでもその意味を理解し、日々安全運転に努めています。
障害者などの各支援マークについてもそれぞれ意味があり、理解することで誰かを思いやり、助け合い支えあうことができます。
(車椅子ユーザーの私もそんなやさしさに支えられております)
障害者に関するマークの一例
本ページは、各団体等が作成・所管する障害者に関係するマークの一例を紹介するものです。各マークは、以下に記載する各省庁・自治体・団体が作成・所管するものであり、お問い合わせ等は各マークの所管先へお願いします。
(いずれも内閣府が作成・所管するものではありません。)
国際シンボルマーク
障害者のための国際シンボルマーク/盲人のための国際シンボルマークは、世界共通のマークです。それぞれのマークと意味を見ていきましょう。
障害者のための国際シンボルマーク
障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマーク。マークの使用については国際リハビリテーション協会の「使用指針」により定められています。
駐車場などでこのマークを見かけた場合には障害者の利用への配慮について、理解とご協力をお願いします。
ポイント
なお、このマークは「すべての障害者を対象」としたマークです。
特に車椅子を利用する障害者を限定し、使用されるものではありません。

これどういうことかと言いますと・・・車椅子に乗っている人のデザインではありますが本来は「すべての障害者」を意味するので、このマークを利用している人=必ずしも車椅子ユーザーというわけではないのです。
車だと後方のリアガラスや、ブレーキランプの近くとかによく貼られていますよね。
その場合は「障害のある人が乗車しています」程度の意味になります。
降車した方が車椅子ユーザーでなくても障害のある方であれば、マークの利用に問題はありません。
注意
- 障害者のための国際シンボルマークは道路の駐車禁止区域での駐車を認めるものではありません。
- 駐車禁止除外については各都道府県の公安委員会が交付する身体障害者等用除外標章が必要です。最寄りの警察署交通課までお問合せください。
盲人のための国際シンボルマーク
世界盲人連合で1984年に制定された盲人のための世界共通マークです。視覚障害者の安全やバリアフリーに考慮された建物、設備、機器などにつけられています。
信号機や国際点字郵便物・書籍などで身近に見かけるマークです。
このマークを見かけた場合には、視覚障害者の利用への配慮について、理解とご協力をお願いします。
障害者標識
障害がある方の車の免許に、体の障害にあわせた運転の条件等の記載がある方が車に表示するマークです。
身体障害者標識(身体障害者マーク)と聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)があり、このマークの表示は前者は努力義務、後者は義務となっています。
注意ポイント
危険防止のためのやむを得ない場合を除き、このマークをつけた車に幅寄せや割込みを行った運転手は、道路交通法の規定により罰せられます。
障害のない方にも、ぜひその意味を知ってほしいマークです。
身体障害者標識(身体障害者マーク)
肢体不自由であることを理由に免許に条件が付されている方が運転する車に表示するマークです。
マークの表示については努力義務となっています。
危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。
例えば、私などは運転手本人が車椅子ユーザーですので、障害者のための国際シンボルマークと併せてこのマークをつけています。
そうすることで、周りの方々に「すべての障害者が対象+肢体不自由である人が運転する車」=杖や補装具、車椅子などを利用している方が運転する車という認識ができますね。
知ってほしい
- 運転手本人が車椅子ユーザーかつ1人で乗車している場合には、運転席から自分で車椅子を出し入れするために広いスペースが必要です。
- もしも障害者用駐車場が埋まっている場合、そこが空くまで待ち続けるしかありません。
- 健常者のようにコインパーキングを利用することができません(障害者用駐車場があれば別です)
- 通常の広さの駐車場では「運転席から車椅子が出せない」ことを、幅広く知っていただけたらと思います。
聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)
聴覚障害であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマークです。
このマークの表示については、義務となっています。
危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。
障害者のための国際シンボルマークと併せて、このマークをつけている場合には「すべての障害者が対象+聴覚障害である人が運転する車」=運転手本人が聴覚障害者であるということがわかりますね。
知っておきたいその他のマーク
ほじょ犬マーク
身体障害者補助犬法の啓発のためのマークです。
身体障害者補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬のことをいいます。
「身体障害者補助犬法」において、公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテルレストランなどの民間施設は、身体障害のある人が身体障害者を同伴するのを受け入れる義務があります。
ポイント
- 補助犬を同伴することのみをもってサービスの提供を拒むことは、障害者差別にあたります。
- 補助犬を同伴した身体障害の方を見かけたら(犬に)驚いたりせず見守ってあげましょう。
- 困っている様子を見かけたら、援助が必要かどうか声をかけてあげてみてください。
耳マーク
聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマークでもあります。
視覚障害者は見た目にはわからないために、誤解されたり不利益をこうむったり、社会生活上で不安が少なくありません。
このマークを提示された場合には、相手が「聞こえない・聞こえにくい」ことを理解して、コミュニケーションの方法等への配慮についてご協力をお願いします。
オストメイト用設備/オストメイト
オストメイトとは、がんなどで人口肛門や人工膀胱を造設している排泄機能に障害のある障害者のことをいいます。
このマーク(JIS Z8210)はオストメイトのための設備(オストメイト対応のトイレ)があること及びオストメイトであることを表しています。
このマークを見かけた場合には、身体内部に障害のある障害者であること及びその配慮されたトイレであることを理解し、ご協力をお願いします。
ハート・プラスマーク
「身体内部に障害がある人」を表しているマークです。
身体内部(心臓、呼吸機能、腎臓、膀胱、直腸、小腸、肝臓、免疫機能)に障害のある方は外見からはわかりにくいため、様々な誤解を受けることがあります。
ポイント
- 内部障害の方の中には電車などの優先席に座りたい、障害者用駐車場スペースに止めたいといったことを希望していることもあります。
- このマークを着用されている方を見かけた場合には、内部障害への配慮について理解し、ご協力をお願いします。
「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマーク
白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマークです。
白杖によるSOSのシグナルを見かけたら、進んで声をかけて困っていることなどを聞き、サポートしてください。
ポイント
- 白杖によるSOSのシグナルを見かけたら、進んで声をかけて困っていることなどを聞き、サポートしてください。
- 駅のホームや路上などで視覚に障害のある人が危険に遭遇しそうな場合は、白杖によりSOSのシグナルを示していなくても、声をかけてサポートをしてください。
ヘルプマーク
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方または妊娠初期の方など、外見からはわからなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることが出来るマークです。(JIS規格)
ポイント
ヘルプマークを身に着けた方を見かけた場合は、電車やバス内で席をゆずったり、困っているようであれば声をかける等、思いやりのある行動をお願いします。
【障害者などの各支援マーク】思いやりのあるやさしい社会へ!
世の中にはたくさんのマークがありますが、その意味は周知されなければわかりません。
見たことはあるけれどどんな意味なんだろう?と思うシンボルマークこそ、本当はきちんと皆に周知されてほしいし、ご理解やご協力をお願いしたいところです。
私はマークを利用している側で恐縮ですが、ぜひよろしくお願いします。